人体の不思議展 於:横浜産貿ホール

昨年の夏,東京国際フォーラムで開催されていたものを見に行っていたので2回目.展示の内容は変わりありませんでした.けれども一緒に見に行った人が違ったのでまた違うお話が飛び出しておもしろかったです.

1回目,2回目とも専門ではないけれど人の体について調べたり考えたりしたことがある人が一緒だったので,+αの知識が得られて一人で眺めるより中味が深くなりました.

あたりまえだけど人体はナマモノだから展示するにはホルマリン漬けのような標本,人体の不思議展で使われているようなプラストミック*1によるもの,非常に限られてしまいます.

人体の不思議展で使われているプラストミックという方法は,樹脂を利用して人体をプラスティック化させて展示しやすくしているらしいです.この方法を利用しているためか,樹脂の流し込み方法を工夫すると血管だけ,神経だけなど管になっているものはそれだけを残すことができるようです.人間の体は不思議です.かつ,すごいと思います.一緒に見ていた人とも話していたのですが,人間の感覚はコンピュータなどで実現できるものに比べて不正確ではあるけど,これだけの機能を持ったものをロボットで実現しようとしてもできないなぁ..と.人間の場合,五感を活用して不正確な部分を補っているように見えます.(それでも,錯覚などは起こすのですが)

展示を自ら見に行っておいてこんなことを思うのはどうなんだ?という話もあるかもしれませんが,展示されている方々は生前からの意志に基づく献体によると最初に掲示されていました.しかし,人体とはこうなっていると様々な人に知ってもらうためとはいえ,大学や病院,研究機関などの研究室を飛び出してこういった形で非常に多くの人の目に晒されることになるということまで了承されていたのかしらと展示を見ながらふと思いました.献体となった方々のご冥福を祈らずにはいられません.

*1:正確にはどう呼んだらいいか分かりません.プラスティネーションという言葉もあるようです